京都の富小路通(錦市場からすぐ)の古着屋「MILOU(ミル)」のスタッフブログです。
どうもどうも、おとーさんです♪
最近、いろんな方から「ヴィンテージって何ですか?」と尋ねられることがよくあります。
古着屋業界では、よく耳にする「ヴィンテージ」。
僕たちスタッフも、「そのシャツはヴィンテージで〜」などと説明することも。
でもよくよく考えたら、これって何の説明にもなってないんですよね。
実は「ヴィンテージ」という言葉には、明確な定義というか、人々の間での共通了解がないんです。
そう、ぶっちゃけた話、お店や業者が勝手に「ヴィンテージ」と呼んでるだけなんです。
ま、「勝手に」と書きましたが、実際はそこまで自由じゃないんですけどね(汗)
どういうことかと言うと・・・。
古物や骨董の世界では、作られてから100年以上経ったモノのことを「アンティーク」と呼びます。
これは元々、1934年にアメリカで制定された通商関税法にに明記された定義。
それが現在の古物業界にも受け継がれ、「100年以上前のモノをアンティークと呼びましょう」ということになっています。
今年なら、1912年以前に製造されたモノが「アンティーク」。
つまり年代に関しては、「ヴィンテージ」とは、「アンティーク」よりも新しい時代に作られたモノということになります。
じゃあ、「アンティーク」より新しけりゃ「ヴィンテージ」と呼んでもいいのかと言うと・・・。
本来「ヴィンテージ」には希少価値がなければいけません。
生産がわずかだったり、何らかの事情で特別な価値が付いてたり。
しかし実はこの「希少価値」というのがクセ者。
なぜなら「価値」というのは、一概に数値化出来ない指標だからです。
たとえば、お菓子の包装紙のコレクターがいるとします。
その人にとっては、1953年に発売された「グリコ」のパッケージがとんでもない価値を持ちます。
1953年に「グリコ」の一粒の形状が、それまでのハート型から、機械生産によって角型に変更されたため、そのコレクターは記念すべき1953年のパッケージを欲しがった訳です。
しかしコレクターではない、そうした歴史的経緯を知らない多くの人にとっては、1953年の「グリコ」のパッケージはただのゴミです。
このように「価値」というのは非常に変動的で一般化しにくいもの。
だから多くの古着屋さんでは、「作られた時代が古い」ということに稀少性を見いだし(洋服は保存状態が悪いと劣化するので)、時代が古い洋服を「ヴィンテージ」として扱っているようです。
そして、だからこそ、じゃあ「古い」というのはどれくらい昔を指すのか?
それこそお店によってマチマチになってきます。
アメリカのウェブショップなどでは、1980年代のモノを「ヴィンテージ」として扱っている業者がいたりします。
ちなみにMILOUでは一応、1960年代までの商品を「ヴィンテージ」とし、1970年代以降のモノを「レギュラー」と呼んで区別しています。
僕の個人的な意見として「ヴィンテージ」の魅力とは、デザインが秀逸であることもさることながら、品質がいいということに尽きると思います。
60年から80年も昔の服が、現在まで残っていて、それを着れちゃうということの凄さ。
本当に服が好きな人なら、この凄さをよく理解していただけると思います。
シルク100%のハワイアンや、レーヨンのワンピース、生地をふんだんに使ったサーキュラースカートや、実際のハードワークに耐える丈夫なデニムのオーバーオールなどなど。
・・・おっと、僕の個人的な「ヴィンテージ愛」を語りだしたらキリがない(汗)
ともかく、HABERDASHERYやMILOUでは、1920年代から1960年代くらいの商品を「ヴィンテージ」と呼んでますよ、ということで。
思いのほか長くなってしまったので、今日はこのくらいで。
明日はおとーさんとイワサキちゃんでお待ちしてます♪
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